万代総合歯科診療所 ビデオコラム 「妊娠中の歯科治療における注意点について」
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万代総合歯科診療所 のビデオコラムです。
妊娠中に歯科治療を受ける際の注意点について お伝えします。
妊娠されている方は、妊産婦歯科検診など お口の状態を確認する機会もあり、歯科治療を受けることが考えられます。
歯科治療を受けることは問題ないのですが、その治療は 妊娠中のその時でないと受けられない内容なのでしょうか?
色々なリスクなどを考えると、事前に考えられる必要な治療は 済ませておいた方が良いかもしれません。
ぜひ、参考になさってください。
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『妊娠中の歯科治療における注意点について』(8m52s)のビデオコラムです。
以下、「妊娠中の歯科治療における注意点について」の動画内容を文章に書き起こしたものです。
書き起こし
皆さんこんにちは。万代総合歯科診療所のビデオコラムにようこそおいでくださいました。
本日は「 妊娠中の歯科治療における注意点について 」というテーマで お伝えしようと思います。
皆様の中には、妊娠中に歯科のトラブルを抱えて、歯科医院を受診する方もおられます。
確かに妊娠中であっても、いわゆる 安定期 であれば歯科治療を行うことは可能です。
また、『 安定期であれば妊娠中でも歯科治療は行うことは可能である』という情報は、皆様にも おおむね 浸透していると思います。
しかしながら皆様が、この情報を誤って解釈されている ということもありますので、今回は 『妊娠中の歯科治療における注意点について 』ということを解説していこうと思います 。
①:なるべく妊娠される前に、お口の中の問題点を解決しておくことを 強くお勧めいたします 。
先ほど申し上げました通り『 安定期であれば妊娠中でも歯科治療は可能』なのですが、この表現は、解釈によっては今後妊娠を予定されている方が『 であれば、今治療しておかなくても OK』 と誤解する危険性があります。
安定期であれば妊娠中でも歯科治療は可能ではあるのですが、ご本人様にとって、やはり通常よりも相当の負担が追加されるのが実情です。
妊娠中における歯科医療でのトラブルには、十分回避できたはずのものと、やむを得ず発生するもの の 2つに大別されます。
十分回避できたはずのもの には、抜歯が必要と言われた親知らずをそのまま放置して妊娠中になって、いよいよ周囲の歯茎が腫れてきたとか、虫歯で穴があいていたり 詰め物が取れているのを自覚しているのに、これを放置を続けた結果、妊娠中になって いよいよ痛みなどの問題を引き起こす というのが典型例であると思います。
やむを得ず発生するもの には、ぶつけてしまって歯が欠けたとか 妊娠性歯肉炎という、妊娠中に起きる特有の疾患が挙げられます。
私も 妊娠中の方の歯科治療を対応していますが、前者の『十分回避できたはずのもの 』に相当する方が 大半を占めています。
今後妊娠を予定されている方におかれましては、今すぐにでも歯科医院を受診され、お口の中の問題を解決しておくことを 強くお勧めいたします。
②:『妊娠していない時期と同じ条件では歯科治療を受けられない 』という事を 知っておいていただきたいと思います。
先ほど申し上げました通り、安定期であれば 妊娠中でも歯科治療は行うことは可能なのですが、妊娠中の歯科治療となりますと、レントゲン撮影や使える薬剤などに制限がかかることもあり、通常の治療よりも 大幅な規制がかかることがあります 。
こうなりますと、どうしても いわゆる応急的な妥協的処置 ということに ならざるを得なくなります。
このとき歯科医師は『出産後 余裕がでてから 本格的にやっていきましょう 』というご提案をすることがあります。
しかし実際には、いつでも子供の面倒をみてもらえる状況にある など 余程の好条件が揃うか、または、すくなくとも 一番下の子が 幼稚園 保育園に通いだすまでは 出産後に余裕が出るということは ほとんどないと思います。
となりますと、妊娠中に行った応急的な妥協的処置も いつまでも長持ちするものでもなく、出産後の余裕が出て来る前に、この応急処置をした歯が新たにトラブルを起こし、くりかえし応急的な妥協的処置が必要になるということもあります。
すなわち、ひとたび妊娠中に歯科医療の問題が起きた場合には、延々と問題を引きずる可能性が高い、ということになります。
現在では、歯科医療側が保育士などを採用して 託児環境を併設しているところもありますので、このような悪循環は起こりにくいかとは思います。
ですが、このような託児環境があったとしても、妊娠や子育てによる心労が重なると、気分的に歯科医院に行くこと自体が極めて面倒になる という可能性もあります。
繰り返しお伝えいたします。
妊娠を計画されておられる方におかれましては、歯科の問題は、あらかじめ解決しておくことを 強くお勧めいたします。
今回 私がこのテーマについて解説している背景を お伝えいたします。
私は、平成5年1993年に 歯科医師になりました。
その当時も、妊娠されているお母さんが 妊娠前に対策を講じておけば、十分回避できたはずの口腔内の問題を抱えて、歯科医院へ駆け込んでいる姿を記憶しております。
それから25年経った 現在2018年ですが、その当時生まれたお子さんが 成長して妊娠をされ、妊娠前に対策を講じておけば 十分回避できたはずの口腔内の問題を抱えて 歯科医院へ駆け込んでいる現状があります。
歯科医療側からの情報発信の大半は 『妊娠中の歯科治療は安定期であれば可能である 』という内容のものが 大半であります。
しかしながら この情報発信のみですと、いつまでたっても 歴史は繰り返されるだけであり、根本的 本質的 解決策にはなりません。
妊娠中の 口腔内のトラブルの根本的 本質的 解決策は、皆様の意識改革にかかっています。
すなわち、妊娠前に 十分対応できることは、自覚の有無を関わらず 口腔内の問題点を確実に解決しておいて、それでもなお、妊娠中やむを得ずを生じる問題に対してのみ なるべく安定期に対応をする ということです。
参考までに当院では、2名のスタッフが、妊娠前に十分対応できることは、自覚の有無にかかわらず、口腔内の問題を確実に解決しておいた結果、妊娠 出産 子育ての間は口腔内のトラブルを抱えることなく 順調に過ごすことができています。
これを見た3名の後輩スタッフ全員が、虫歯治療や歯列矯正を自主的に行い、将来への備えを確実なものにしています。
このことを、皆様は どのようにお考えになりますでしょうか。
今後 皆様が、妊娠前に十分対応できることは、口腔内の問題を確実に解決しておくのか、それとも 妊娠中に口腔内のトラブルが生じてから、いよいよになって歯科医院へ駆け込むのか、皆様のご判断に委ねたいと思います。
本日は『妊娠中の歯科治療における注意点について』というテーマで お伝えしました。
※ 以下も、ご参考になさってください。
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