群馬経済新聞 様 にて執筆中のコラム 第3回です。
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第3回の テーマは『定期検診に潜む問題点その1 火災の現場で火の用心?』と致しました。
以下、コラムの内容を書き起こしてあります。
ぜひ ご覧ください。
書き起こし
第3回 テーマ『定期検診に潜む問題点その1 火災の現場で火の用心?』
前回のコラムでは歯科医療においては、定期検診のステージにいることが最も経済的な状況にあることをお伝えいたしました。
皆さまの中には「私はすでに定期検診を実践している」という方もいるかと思います。
しかし、当院へ受診される方の中には、今までずっと定期検診に参加・実践していたにもかかわらず散々な状態の口腔内になっている方がいるのが現状です。
実は定期検診の参加には、一般の方に知られていない重大な問題点が3点あります。
今回は「その1、火災の現場で火の用心?」と題して、定期検診に潜む問題点を解説していきます。
定期検診のステージに入るためには、「口腔内の問題が全て解決している」または「多少の問題があってもしかるべき管理下にある」ということが前提になります。
火災に置き換えれば、「火が完全に鎮火してから火の用心」または「鎮火が不完全でも、再燃があればいつでも消火できる」ということが前提になります。
しかし皆さまの中には、明らかに口腔内に問題があるにもかかわらずそれを放置したまま定期検診を受けている方がいます。
火災に置き換えれば「明らかに燃えているのにそれを放置したまま拍子木を鳴らす」ということです。
火災であれば、燃えている状況を明らかに確認できる、すなわち問題を自覚できるのでこれを放置して拍子木を鳴らすことはまずありえません。
しかし口腔内においては、かなり問題が重症化しないと、痛い・しびれる・欠けた・変色した、などの自覚症状が生じません。
「問題が発生している」と「自覚する症状がある」とは全く異なるものです。
この認識の違いのため、定期検診に参加しても口腔内の問題が自覚できるほど重症化してから処置を行う、すなわち「後手の対応」になってしまいます。
また、多少の問題があってもすぐには治療に着手せず経過観察(様子をみる)を行うことがあります。
この場合、レントゲン写真やカメラ撮影による口腔内写真などで詳細な観察記録を定期的に採らないことには、「事実上の放置」になってしまいます。
このような「後手の対応」と「事実上の放置」のため、定期検診に参加・実践しているにもかかわらず散々な状態の口腔内になってしまうのです。
歯科医療側の臨床技術力や保険診療による採算性の問題から、歯科医療側が「後手の対応」と「事実上の放置」を前提とした定期検診を患者側に提供していることもあります。
皆さまは現在、どのような「定期検診」を受けておられるでしょうか。