万代総合歯科診療所 ビデオコラム 「歯石を取りに行けば歯周病の予防になるのか?」
歯石を取りに行けば 歯周病の予防になるのか
歯周病予防において欠かせないのが『 歯石取り 』です。歯石はどのようにできるのか?歯周病予防には何が大切か?についてお話しております。
当ページ記事の目次
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『歯石を取りに行けば歯周病の予防になるのか』(4m36s)のビデオコラムです。
歯石の成り立ち
まずは 歯石の成り立ちについて解説をしていきます。
私も含めて 全ての人には口腔内常在菌と言いまして、数百種類の菌が口の中に住んでいます。
これが繁殖をしていくと、そして口に歯に溜まっていきますと、プラークと呼ばれるものが出来上がってきます。
赤く染めて『 イー 』とした時に 真っ赤に染まるのがプラークです。
プラークは ほんのわずか取るだけでも一億個の菌が存在してると言われています。
このプラークが、唾液中のミネラル成分によってだんだんと固まって歯の表面にこびりついたものが歯石です。
その歯石がこびりついてしまいますと 歯磨きで落とせなります。
そのため、歯科医院へ行って こそげ取るとか超音波とかで弾き飛ばすことで、歯石を除去する必要が出てきます。
歯周病と歯石の関係
実は、歯周病は『 歯石があるから発病する 』のではありません。(歯石自体が歯周病の原因ではない)
歯石はプラークが固まってできたもので、その表面が軽石みたいにザラザラとした表面になっています。
そのザラザラとした表面にプラーク・菌がこびりつきます。
歯周病を引き起こす菌が 表面にこびりついて悪さをしだすと、歯周病という歯茎とか顎の骨が破壊されていきます。
歯石を取る理由
歯磨きをしやすいような環境にするため、すなわち 歯磨きでプラークを除去する環境を作りやすくするために歯石を取っていくのです。
プラーク自体が取り除かれていれば、歯磨きが100% もし完璧にできているのであれば、理論上 歯石はできません。しかし、さすがに完璧な歯磨きを 毎日毎月毎年ずっとそれを継続するのは、(歯科医師である)私であったとしても不可能な話です。
歯石が積もり積もって溜まっていくと 歯にこびりつき、取れにくくなり、さらに悪さをする菌がつきやすくなります。
菌が悪さをするわけですが、(歯石に)その菌がこびりつきやすい環境になってしまうので(歯石を)定期的に取りに行きましょうというのが本来です。
歯石は本来いつ取りに行くべきか
すなわち、歯石を取りに行くということの前提には、毎日の歯磨きがちゃんとできている、100% 達成は事実上不可能なので、少なくとも概ね(90% 以上程度)できている必要があります。
完璧とまではいかないまでも、極力ご自身で歯石自体ができないという環境をまず作って頂いて、それでもなお できた歯石に関しては定期的に取りにいくという考えが必要です。
定期的に歯石を取りに行くという方の中には、普段の歯磨きが大雑把、さっきお伝えした一生懸命頑張ってもなおという話じゃなく、大体(大雑把)でいいという発想の方が、定期的に歯科医院に行って歯石を取ればいい というのは 全く予防効果はありません。
(日常の歯磨きのない歯石取りは)エチケットレベルにはなるかもしれませんが、それでは歯周病の予防には全くつながりません。
歯周病の予防の大前提
歯周病の予防は大前提として守って頂かなければならないのが、日々の歯磨きがしっかりとできているか?ということが大事になってくるので、これを蔑ろにしたまま歯石だけを取りに行くことは、何ら歯周病予防には繋がっていないのです。
今回は『 歯石を取りに行けば歯周病の予防になるのか? 』というテーマでお伝えしました。
※ 以下も、ご参考になさってください。