マイクロスコープとラバーダム防湿法
歯科用マイクロスコープ
ラバーダム防湿法による根管治療
この両方を採用している万代総合歯科診療所だからこそ、敢えてお伝えします。この2つの導入を、『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の条件などと、絶対に解釈してはいけません。なぜなら、これらは根管治療を施術する歯科医師の技術力が全く反映されていないからです。
根管治療(歯内療法)は、できるだけ「しない」療法
- 歯科用マイクロスコープを導入している
- ラバーダム防湿法を採用している
以上の2点を『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の条件と解釈している方がいるようです。インターネット等の多くの情報源でも、この2点をその条件としているのをよく見かけます。確かに、『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の多くは歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入しているということは事実です。万代総合歯科診療所も、この両者を採用しています。
それでもこの2点をもって、『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の“2大条件”としてしまうのは根管治療にも地道に研修・研鑽を積んできた当院としては、強い違和感を覚えます。
装備と技術は異なるもの
『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の条件として、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法の導入を挙げることは決して間違いとまで言うつもりはありませんが、この2条件は、これを使用する側である歯科医師の根管治療を行う技術力が全く反映されていないのです。つまり、上記の2点のみを『的確な根管治療を施術できる歯科医師の条件』と解釈してしまうと、真面目に研修・研鑽を積んだ歯科医師も、全く研修・研鑽を積んでいない歯科医師も歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入しさえすればその日から『的確な根管治療を施術できる歯科医師』ということになってしまいます。
『当院は歯科用マイクロスコープを導入して最先端の歯科医療を提供しています!』とHPなどで宣伝しておきながら、実際は歯科用マイクロスコープを買っただけで臨床の現場ではほとんど使われていないことは、よくある事です。
実際には
根管治療に関する技術力が明らかに乏しい歯科医師(若手とは限らない)が、安易に導入したマイクロスコープを使用しての根管治療で成績不良となり、当院で再治療となった症例もあります。
歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入することにより根管治療の成績が向上することは間違いのないところです。万代総合歯科診療所でも、かつては歯科用マイクロスコープを導入していませんでしたが『もうあの頃には、絶対に戻れない』ほど、必須の設備となっています。歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法があるのと無いのでは『入り口付近だけではなく根管内部が見える』『根管内に唾液・雑菌が進入しにくい』という、決定的な利点があるので治療結果に大きな差が生じてしまいます。
誰にでも使いこなせるものではない
しかし、これは『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の施術下、つまり元々歯科用マイクロスコープがなくても、相当レベルの根管治療が行える歯科医師の施術下でなければ全く意味がありません。また『的確な根管治療を施術できる歯科医師』のすべてが歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入しているというわけではないので、上記の2点のみを『的確な根管治療を施術できる歯科医師』の条件と解釈してしまうと、皆様が『的確な根管治療の技術は持っているが歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入していない歯科医師』よりも『的確な根管治療の技術を持っていないにもかかわらず歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法だけは導入している歯科医師』を上位に選択してしまうことになり、これは結果として皆様が甚大な損害を被る危険性があります。
根管治療においては、今まで根管治療の研修・研鑽を積んでいない歯科医師までもが、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入しさえすれば良好な治療成績が期待できるのではなく、『元々、歯科用マイクロスコープやラバーダム防湿法がなくても、ほぼ的確な根管治療を施術できる根管治療の研修・研鑽を地道に真面目に積んできた歯科医師』が、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入して根管治療を行うからこそ、より良好な治療成績が期待できるということなのです。
厳しすぎるのか
真面目に根管治療の研修・研鑽を積み、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入している私自身が、仮に一人の患者として根管治療を受けるのであれば、この条件をすべて満たす歯科医師に依頼するという意味です。つまりこの条件は然るべき学会等の公式見解ではなく、あくまでも私見です。臨床家からは『条件が厳しすぎる』との指摘を受けるかもしれません。
しかし、この程度の条件は、真面目に研修・研鑽を積んできた『的確な根管治療を施術できる歯科医師』であれば歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿法を導入していなくても、その全員がすべての条件を何ら問題なく簡単にクリアーできる程度の事です。本当は、もっと厳しい条件を追加してもいいくらいです。
しかし残念ながら
皆様がこの条件をもとに、『的確な根管治療を施術できる歯科医師』を探そうとすると、この程度の条件であっても、先程お伝えした真面目に地道に根管治療の研修・研鑽を重ねてきた、『的確な根管治療を施術できる歯科医師』が“極端に少ない” という事を、実感する事になってしまいます。