予防管理の概念
予防歯科・予防管理の表現について
歯科医療側からは多くの場合『虫歯・歯周病など口腔内の問題の発生を未然に防ぐ行為』 のことを “予防歯科” と情報発信されています。しかし、本来“予防歯科”はもっと広い範囲で解釈されているのです(詳しくはこちら)。よって、万代総合歯科診療所では 『虫歯・歯周病など口腔内の問題の発生を未然に防ぐ行為』を“予防歯科”ではなく “予防管理” と独自に別表現しています。
予防管理はすべての基礎
予防管理は、他の治療分野と並ぶ独立した歯科医療の一部門というのではなく、また、治療介入と対立するものでもありません。予防管理は、そのすべてのベース(基礎)として、治療介入と並行して常に深くかかわっているものなのです。歯科臨床においては、あらゆる治療を行うときにも各患者さん個人の特性を配慮した予防管理が、常に実践されている事が前提です。
つまり、緊急・応急処置の場合を除きすべての治療介入を行う際には、必ず歯磨き指導等の各患者さんに応じた指導を受け、患者さんがそれを実践・継続していることを前提に治療介入と予防管理が常に“並行・両立”していることが要求されるのです。
患者さんの側が、歯科医院に対して『歯磨き指導はいらないから、治療だけやってください。』と要求するのは、例えるなら和食店で『醤油・塩・だしを抜きにした料理を作って下さい。』と注文するのと同じようなものです。そのような要求をすれば、極めて限られたもの、または大変レベルの低いものしか受けられないということになります。
逆に医療側が、歯磨き指導等の予防管理を行わずして治療行為のみを行う、というスタイルは1980年代後半くらいまでの歯科医療では “普通のこと” でしたが、現代においても、このような旧態依然のままのスタイルであれば極めて限定的なもの、または大変レベルの低い歯科臨床しか提供されていないということになります。(緊急・応急処置の場合を除く)